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小説「推し燃ゆ」あらすじと感想【ネタバレなし】宇佐見りん作

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芥川賞を受賞した「推し燃ゆ」を読みました。

純文学ですが、アイドルと女子高生の小説なので特に読み辛いということはなかったです。

「推す」ということについての小説からは、考えつかない重厚なテーマを持つ小説だと思いました。

本記事では、そのあたりを説明していますのでぜひご覧ください。

中盤までの内容を元にネタバレしないようにしています。

あらすじ

主人公の山下あかりは、学校生活やバイト、家庭などうまくいっていません。

山下あかりはアイドルである上野真樹を推すことでなんとか生活できています。

そんな中、上野真樹がファンを殴ったことでネットで炎上します。

そして、山下あかりの生活にも影響を及ぼしていき・・・

というようなあらすじです。

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おすすめの人

  • 芥川賞作品を読みたい人
  • アイドルが好きな人
  • なんとなく生きづらさを感じている人

感想

推すことについて

山下あかりの生活はなにもかも上手くいっていません。

学校は友達もいないし勉強もできなく、バイト先では失敗ばかりです。

おそらく軽度の発達障害を持っているようです。病院に行き2つ病名がついたと記述されています。

しかし家族からは理解されず、冷たくされています。期待もされていませんが、勉強や就職はしてほしいようです。

ここがとても悲しいです。山下あかりは、かつては出来ないながらも勉強をしようとしていたようですが、結局身にならず今では諦めてしまっています。

せめて家族の理解があれば、ここまで精神的に追い詰められることもないはずでした。

そんな山下あかりは、アイドルである上野真樹を推すことで精神的な安定をなんとか保っています。

上野真樹がいるから行きたくもない学校に行き、バイトも続けられているのです。

推すことは、生きるモチベーションになるんですね。

私は何かを推すということはしたことありませんが、本書を通じて「推す」ということを理解出来たような気がします。

みなさんも何かを推したりしているのでしょうか。

文章が凄い

本書は文章力・表現力が凄まじいです。

特に山下あかりが辛い生活を送っている描写が克明に描かれていて読んでいて少し悲しくなりました。

一人称の小説で、山下あかりに感情移入してしまいます。

山下あかりはあまり辛いということを言わない人みたいですね。そういった描写は特にありません。

しかし状況的に考えて、どう考えても辛い生活を送っていますし、本人も何かは感じているようです。

言わなくても仕草などで伝わってきました。

バイト先で全然仕事が出来なくて追い詰められている描写が凄かったです。

山下あかりは2つ以上のことを同時に考えて出来ないようです。マルチタスクが苦手です。

居酒屋のホール担当なのですが次から次へと仕事を頼まれて全く対処できていません。

そんな様子を見かねてキッチン担当の店長が助っ人に来てくれます。

店長は山下あかりに怒ったりせず、落ち着いてやればできるというようなことを言います。

また、あまり期待もしていないようです。人手もないしバイトとして最低限のことをやってくれればいいようです。

店長は優しい人のようですが、その優しさが逆に心に刺さると言うか・・・

こういうとき、いっそのことちゃんと怒ってくれたほうが助かりますよね笑。

肉体的にも精神的にも疲れるバイト描写でした。

隠された日本の歴史

本書はどうも太平洋戦争や天皇制を思わせる要素を忍び込ませているようです。

例えば以下が挙げられます。

  • 上野真幸の誕生日が8月15日(終戦記念日)
  • グループに「明仁」くんというアイドルがいる(第125代天皇)
  • 中盤以降、上野真樹が◯になる(ネタバレになるので隠してます)

そう考えるとストーリーも太平洋戦争をなぞらえているようです。

  • 上野真樹がファンを殴る=真珠湾攻撃
  • 炎上する=太平洋戦争

などネタバレになるのでこの辺りまでにしておきますが、それ以降も上記のように読み替えることが可能です。

作者はなぜこのようなことをしているのでしょうか?

それは本書が天皇と日本国民の関係を表した小説だからだと思います。

太平洋戦争時、天皇は神であり、日本国民は神に仕える臣民でした。

そのことは、日本人の精神性に多大な影響を及ぼしています。

では現代ではどうでしょう。

本書はそのあたりがテーマになっているようですので、ぜひ本書を読んでみてください。

おわりに

「推す」ということは現代を生き抜くために必要なことなのかもしれません。

私も何か機会がありましたら、どなたかを推そうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

本記事を読んで、興味を持たれた方はぜひ宇佐見りん著「推し燃ゆ」を読んでみてください。

推し、燃ゆ (河出文庫)
推しが燃えた。ファンを殴ったらしい――。第164回芥川賞受賞、世代も国境も超えた大ベストセラー、待望の文庫化! 解説=金原ひとみ

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